そもそも雨漏り修理とは?
雨漏り修理とは、天井・壁にシミがついている場合や窓枠や天井の窓から水がポタポタ落ちてくる場合などに行う工事です。
基本的に雨漏りが発生している場合は、緊急性が高く早めの工事が大事です。
ただ、雨漏りの原因となる進入口を特定するのは、非常に困難です。
しかし、経験、知識量の差により雨漏りを安価で押さえることができます。
雨漏りの進入箇所の特定ができない場合、怪しいところは全てリフォームすることになり、コーキングをするだけで雨漏りが防げたのに、多額の費用が発生しても結局雨漏りが直らなかったというケースも良く耳にします。
また、逆に費用をかけなければ雨漏りを止めることが不可能なのに、安く出来ると言ってくる業者の施工で結局雨漏りが解消されなかったケースもあり、業者選びは慎重に行うのが得策です。
ちなみに、私は雨漏り診断士の認定を受けています。認定を受ける方は基本知識として習得しているはずですが、雨漏りは塗装しても止まらないという事を学びます。
雨漏りは塗装で止まると言ってくる業者は、注意が必要です。
雨漏り修理の必要性について
雨漏り修理の必要性について述べていきます。当店では、以下のチェック項目に当てはまる方は、雨漏り修理が必要と考えております。
以上のような、症状が発生している場合は、雨漏り修理が必要です。 調査だけでも、早めに行うことをおすすめします。
【注意】雨漏りの放置はシロアリ発生の原因になります
雨漏りを放置し内部の木材が水を吸い込むと「木材腐朽菌」が発生し木材がぼろぼろになっていきます。また、そのような場所は水と木を好んで食べるシロアリが発生する可能性が高くなるため、早めの対処を心がけましょう。
雨漏りの原因
雨漏りの原因を特定する際に、重要なのが聞き取り調査です。
例えば、
- 雨が降れば必ず雨漏りをするのか?
- 雨が降っても雨漏りする場合としない場合があるのか?
- どれくらいの雨量でどれくらいの雨漏りが発生するのか?
- 時間的には何時間位雨が降れば、雨漏りを発生させるのか?
- 雨漏りの個所は1か所なのか?2か所なのか?
- 雨漏りした個所の上に何があるのか?
上記は、雨漏りのご相談を頂いたとき、私がいつもヒヤリングや現地調査で確認している項目の一部です(他にもあります)。雨漏りの進入箇所を調べるためには必要な情報なので、これらの情報を確認することで、発見に時間がかからずに済むケースが多くあります。
上記の状況に応じて、原因と対応が大きく異なりますので、特にこのようなヒヤリングや調査もなく、原因を決めつけてくる業者には注意しましょう。
ここでは、すべての原因をお話しすることはできませんが、庄崎塗装の35年・施工実績1000件以上の経験則にもとづく、主たる原因をご説明させていただきます。
以下の情報はどこの受け売りでもなく、ありとあらゆる雨漏りを止めてきた庄崎塗装の経験と知見に基づく独自のお話です。かなりマニアアックで、他で調べても出てくる内容ではありませんので楽しみにお読みください。
外壁の種類別の雨漏り
サイディングなのかモルタル壁、又はパワーボード、ALC等、外壁の種類によって、雨漏りしやすい箇所が変わります。
1)モルタル壁による雨漏り
モルタル壁の場合、クラック(ひび割れ)から雨水が侵入することが多いです。特に築年数の古い住宅になると内部にラスというものが貼られているのですが、雨水が浸入するとラスを錆させるため外壁に膨れが生じます。
*また、樋や庇に銅が使われている場合、現在の酸性雨により銅に穴を開いてしまうケースが増えています。それによる雨漏りも近年増え続けている傾向にあります。
2)サイディング壁による雨漏り
サイディング壁の場合、基本的には新築の時に、雨漏りをしないような施工をしなければいけません。
本来、サイディング内部にある防水シートの施工が正しければ防水シートがあるため、シールが劣化しても、内部に雨水が浸入することはありません。
しかし、サイディング壁の場合でも、雨漏りをしているお宅はたくさんあります。その多くは、新築時の施工不良に起因するケースが多いのが実情です。庄崎塗装の所感としては、特にサッシ廻りの防水シートの施工不良が多い気がします。
また、お家の塗替えで、サッシ廻りのコーキングを撤去する際、(塗装屋さんが気が付かずに)カッターナイフで内部の防水シートを切ってしまうことがあります。そうすると、その後の台風等でサイディング内部に雨水が浸入すると、防水シートが役目を果たさなくなり雨漏りに繋がってしまうのです。そのため、塗装工事でサッシ廻りのコーキングは、増し打ちがお勧めになります。
3)パワーボード壁による雨漏り
パワーボードもケースは少ないのですが、雨漏りを発生させます。
多い箇所は、やはりシール部分からの雨漏りが多く、たまにタイルやブリック(石で作られた飾り)からも雨漏りは発生します。
塗り替え工事の時には費用はかさみますが、シールの増し打ちだけでもやっておいて損はないと思います。タイルやブリック等は、予防方法として透明の撥水剤を塗布することをお勧めします。
4)ALC壁による雨漏り
外壁材の種類別では、一番雨漏りが多いのがALCかもしれません。逆に10年以上経過したお宅でALC壁が雨漏りをしていないケースは稀です。それほど雨漏り事象が多い外壁です。
縦目地からも雨漏りしますが、特に気を付けないといけないのが、横目地からの雨漏り。どんなシール工事でもそうですが、シールプライマーは忘れずに施工しましょう。
*また、鉄骨の建物の為、外壁にタイルを施工しているお宅も多く、タイル目地の割れからも雨漏りを引き起こします。
屋根の種類別の雨漏り
屋根の種類によって雨漏りの原因と対処が異なります。
1)瓦屋根の場合
瓦屋根の雨漏りは、ルーフィング(瓦の下の防水シート)がある場合とない場合があります。当然、ルーフィングがない方が雨漏りが生じやすくなります。
昔の工法で盛り土をしている場合は防水シートがありません。その為、地震や台風などにより瓦がずれると、雨漏りを引き起こします。この場合、瓦をならべ変えて正常な状態に戻すことが必要です。この作業は、熟練の瓦職人に施工してもらうほかありません。素人考えで、瓦を並び替えてもすぐに雨漏りを引き起こしますので注意が必要です。
2)カラーベストの場合
基本的には、下にルーフィングがあるため、ルーフィングが異常のない限り雨漏りはしません。例えば、カラーベストに損傷があったり、棟板金などが台風などの影響で隙間があっても、ルーフィングに異常がない限り雨漏りは発生しません。
当然、屋根をふき替える場合も、コンパネを貼った上にルーフィングを貼ります。ここまでの作業を正しく進めておけば、いくら雨が降っても雨漏りはしません。
ではなぜ雨漏りが発生するのでしょうか?
ルーフィングに異常をきたしているからです。カラーベストの場合、例えばカラーベストの大きな損傷を放っておくと、カラーベストの裏側に水が回り、ルーフィングを止めている釘をサビさせ、そこから雨漏りを発生させることがあります。
棟板金の隙間からも雨は侵入するので、リフォームの時には、棟板金の強化も考えたいところですね。
なんと弊社のお客様で、台風で棟板金が無くなっていることに長いこと気が付かず、塗装工事を頼んでこられたお客様がいました。3階建てだった為、全く気付かれなかったそうです。しかしこれを放っておくと、ルーフィングに異常を発生させて、間違いなく雨漏りの原因になります。棟板金やカラーベストの損傷に気付いた場合には、早めの施工をお勧めします。台風後は要注意ですね!
3)瓦棒などの金属屋根
金属屋根からの雨漏りは、庄崎塗装での対処件数においてはNO.1です。
瓦棒などの金属屋根の場合、鉄でできている為さびやすく、放置していると穴が開いているケースも良く見られます。また、屋根に勾配があることで、実は雨水の進入口が上部にあったのに、雨漏り箇所が下部になっている場合もあり、雨漏りの進入口を見つけるのに苦労したケースもありました。
金属の中でも銅の屋根には、特に注意が必要です。近年の雨は酸性雨の影響で銅に穴を開けるケースが非常に増えています。補修の場合はポリパテ等でも対処できますが、根本的に解消したい場合は、ガルバニウム鋼板に変更する事をお勧めします。
ベランダからの雨漏り
ベランダからの雨漏りの原因として、一番多いのは平場部分からの雨漏り。次はドレンからの雨漏りがあります。この2つは、雨漏り被害も大きい為原因を特定しやすいかなと思います。
ただし事例は少ないのですが、ベランダの手摺り部分からも雨漏りは発生しますることがあります。手すりの材質によっても対処が異なりますが、庄崎塗装では、アルミの手摺りでの雨漏りを多く発見しました。錆びた部分をほっておくと手摺りの内部に水が浸入してしまいますので早めの対応を心がけましょう。
ベランダは便利で利用価値が高い場所ですが、雨漏り原因になりやすいというのが難点(しかも経験がないと原因の特定が意外と難しいのです)。雨漏り箇所の上部がベランダがある場合には、一度、庄崎塗装にお問合せ下さい。施工方法は、かなり長文となるため割愛させていただきます。
サッシからの雨漏り
*雨漏り箇所で一番多いのが、サッシです。
1)サッシ廻りのコーキングの劣化による雨漏り
注意点としては、雨漏り発生した階のサッシではなく、その「上部階」のサッシ廻りのコーキングの劣化が原因になっている場合が多い点です。例えば、1階の雨漏りが、2階部分のサッシ廻りが雨水の進入口となっているケースがあります。
塗装屋さんの中には根本的な侵入口を特定できず、雨漏りが発生した階のサッシ廻りのみコーキングを行うというケースがあり、結果、雨漏りが止まらなかったという話を聞いたことがあります(お施主様から伺いました)。
理屈の説明はここでは控えますが、1階で雨漏りした場合でも、1階のサッシをコーキングして止まる確率は殆んどありません。
経験がものを言いますので、サッシ廻りの雨漏りの場合でも、庄崎塗装にお気軽にお問い合わせください。
2)サッシ本体からの雨漏り
サッシ本体からも雨漏りするので、気を付けましょう。庄崎塗装での対処件数としても比較的多いです。
経年劣化や地震等によりサッシに隙間や歪が出来てしまうことが原因となります。サッシ本体はいくつかのパーツを組みあわせて出来ている構造上、(新しいうちは隙間がないのですが)経年劣化や地震により隙間が出来てしまい、その隙間を雨水が通り、雨漏りを引き起こします。
しかしこの場合も、経験上、侵入箇所の特定はそう簡単なものではありません。
毛細管現象による雨漏り
毛細管現象とは、雨水の出口を塞いだために、水笠が増し上部から雨漏りを発生させる現象です。
屋根材や壁材には「隙間」があるから雨漏りが発生すると思われている方もいるようですが、そうではありません。カラーベストやサイディング等は、初めから内部に雨水が浸入することを想定し出口を作っているのが基本です。逆に、その出口を塞ぐことで、雨漏りが発生します。
例えば、カラーベスト内部に雨水が浸入するのは、台風等の風の強い時にはよくあります。しかし、普段はカラーベスト内部に侵入した雨水はカラーベストの隙間から排出されたり、内部のルーフィングを伝って樋に流れる構造になっています。私たち塗装屋さんが使う「タスペーサー」は、雨水の排出を手助けし毛細管現象を防止する役割があります。
また、サイディング壁も内部に雨水が浸入しても内部の防水シートを伝い、水切りから雨水が排出される構造になっています。水切りの隙間を、コーキングで埋めてしまうと雨漏りの原因となるので、注意して下さい。
新築時には雨漏りをしないようにわざと隙間を作っている隙間もあるということですね。
塗装工事の時に、雨水の出口を塞いで、毛細管現象を引き起こすリフォームをする業者もたまに見かけますので要注意。実際に水切りをコーキングしていた所を切ると、雨水が大量に出た経験もしました。塗装店においても、雨漏りの知識が必要な時代になったなぁとつくづく思う日々です。
雨漏りの応急処置方法
雨漏りしている時点でどの工事も緊急性が高いと言えますが、注意していただきたいのは、自分では絶対にやらないことです。
第一に、屋根の上は本当に危ないのでお気をつけください・・(^^;
また、雨漏りは、原因となる侵入口が一つとは限りません。2つ以上の進入口から、1ヶ所の雨漏りを引き起こしているケースがあったり、逆に、1つの進入口から2ヶ所以上の雨漏りを発生したりします。私は、このどちらも経験しましたが、雨水の進入口を塞ぐことができれば雨漏りは発生しなくなります。
お施主様からお伺いする話では、雨漏りの出口を塞ぐことで雨漏りを防止しようとする塗装屋さんもいるようですが、塗装しても雨漏りは直りません。これは、家の内部を劣化させるので、絶対にしてはいけません。出口を塞ぎ内部で雨水が溜まると、また別の場所で雨漏りを発生させることにもつながります。
雨漏りではないケース
ここからは、私が経験した雨漏りではない雨漏りの事象を紹介します。
古い戸建てで多いのが、水道管の接続部分からの水漏れ。
天井にシミが出来て、蛍光灯のカバー内部に水が溜まった例がありました。蛍光灯に水が溜まった時には捨てるようにしていたそうです。お客様から庇部分が怪しいと言われ目視調査しましたが、個人的にはここ以外の判断をしていました。しかし、庇の板金のやり替えを強く希望されていたので、板金工事をする事になりました。
しかし、後日、雨漏りは止まりませんでした。
それから調査を深めた結果、雨が降らない時でも蛍光灯に溜まる水の量が増えることがわかりました。大雨の後でも少しの雨の時も、溜まる水の量に違いはなかったのです。
その後、苦労はしましたが、水道管の接続部分からの水漏れが原因と判明し、程なく解決することができました。施主様は、蛍光灯に水が溜まるため漏電による火災を心配されて、毎日睡眠不足だったようで、解決後には、大変喜んでいただきました。
マンションなどに多い結露。
サッシ内部の木部にシミが出来ていました。雨漏りまではいかないのですが、気になるので見に来てほしいとのご依頼でした。
結果から言いますと、雨が降るとサッシに結露が出来ていることを発見。これだけは、私にはどうすることもできませんでした。
イタチやハクビシン等のおしっこ
4年前に外壁塗装を施工させていただいたお客様から、いつの間にか天井にシミができているので、雨漏りしているとのご相談がありました。
外壁には近い場所だったのですが少し位置が離れていること、また、真上は2階の部屋に当たり、建物構造上、雨漏りとしてはおかしな現象でした。
色々調べた結果、害獣等(ネズミ・アライグマ・イタチ・ハクビシン)のおしっこでも天井にシミができることがあり、その可能性が高いことがわかりました。
そのお宅には様子見をしてもらっていますが、8か月以上経過していおりますが、それから特に変わったことはないそうです。
このような特殊なケースもありますが、創業35年の豊富な雨漏り修理経験を持つ庄崎塗装では、雨漏りとそうではないケースの区別もできますので、ご安心くださいね。
最後に
ここまでお読みいただきありがとうございます。
弊社は雨漏り工事の経験と知見が豊富なのですが、同業者様の目もある中、あまり情報は出してきませんでした。しかし、お施主様からの相談で、雨漏りの知識のない業者様の施工により、多額の被害が出ている現実を知りました。弊社なら、数万円で済む所をわざわざ100万以上かけて直らなかったお施主様がいることを知りました。そのため、出し惜しみせずに記事にすることにしたのです。
上記で記載してきたことはほんの一部であり、雨漏りの原因特定はそう簡単なものではありません。もしかしたら、私が行っても雨漏り箇所を見つけられないこともあるかもしれません。
そのため100%雨漏りを止められるとは言ってはいけないものですが、少なくとも実績では100%。これまで非常に難易度の高い雨漏りを止めてきたことも確かです。
雨漏りでお困りの方がおりましたら、私で良ければお気軽にご相談下さいね。
[ ]台風・地震などで天井に穴が開いた。
[ ]天井から水がポタポタと落ちてくる。
[ ]天井にシミが広がっている。
[ ]天井の窓から水がポタポタと落ちてくる。
[ ]壁にシミが広がっている。
[ ]外から見た、ベランダの下部分にシミが広がっている。
[ ]部屋の窓枠から水が浸入してきている。